スクラム開発が「つらい」
この記事では、開発メンバーやスクラムマスター(SM)の視点から、「つらい」と感じる原因を整理しつつ、解決策を紹介していきたいと思います。
開発メンバー視点の「つらい」原因と解決策
まずは、開発メンバーの視点で、「つらい」と思われる原因のケースと、その解決策を考えていきます。
原因
まず大事なのは、「つらさ」原因が何かを理解することです。
私の経験上としては、以下の2つのパターンに分かれることが多いのではないかと思います。
失敗することが多くてつらい
新卒だったり、経験が浅くスキルがない人は、業務をしていくうえでいろいろな失敗をしてしまい、それを「つらい」と感じてしまうのではないかと思います。
失敗には、開発ができない、ミーティングのときにコミュニケーションが取れないなど、いろいろな種類があると思います。
業務を押し付けられていると感じてつらい
経験があり、自主的に行動するタイプの人は、他のメンバーがあまり積極的に協力してくれるタイプではない場合、いろいろな業務を押し付けられるのではないかと思います。
特に、責任の高いタスクや、顧客への説明など、重要なことほど押し付けられ、ストレスを感じることがあるのではないかと思います。
「 失敗することが多くてつらい」ケース 解決策
素直にしゃべること
「つらい」状況の場合、どうしてもしゃべることをやめてしまうタイプの人がいると思います。
「開発でよくミスをしているが改善できない」、「どうしたらいいかわからなくてつらい」という状況な時ほど、開発メンバーやスクラムマスターに相談するのがよいです。
特にスクラムマスターがそのような相談事を受けるのが役割なので、積極的にその運用ルールを利用すべきです。
できないことは「できない」、わからないことは「わからない」とはっきりと伝え、
ほかのメンバーから教えを請うのがいいと思います。
できることを増やす
自身でスキルアップ向上のための努力をしていない場合は、やはり失敗したり、成果を上げられないことが多くなると思います。
そのため、シンプルな解決策としては、業務でできることを増やすのがよいです。
誰かに教えてもらい、それを自分のものにしたり、
また、自己啓発で入門書だったり基本的な知識の学習はできると思うので、それを行うということもできると思います。
プライベートの時間を仕事のことに使いたくないと思う人もいるかもしれませんが、
最低限のスキルを身に着けていかないと、どうしても仕事では成果はだせず、そのことでつらい思いもするため、そこを解決するなら、努力はする必要があると思います。
ほかの人の作業を手伝うこと
失敗することは誰しもあると思います。
ただ、今まで他の人が助けを必要な時に、自身が助けたり、手伝ったりしてないと、
自分が困ったときに、助けを求めづらくなるのではないかと思います。
そのため、自身も相手が困っているときは助けるようにし、
お互い様の関係を築くのが大事だと思います。
「業務を押し付けられていると感じてつらい」ケース 解決策
自分ひとりで担当していてもチームの責任
スクラム開発では、基本的に一人に責任を押し付けるのではなく、チーム全員の責任という運用です。
そのため、重要な業務を自身1人で対応することは、その人だけの責任ではありません。
ただ、それを理解してもらっているかは不安に思うこともあると思うので、
以下のようにチームに問いかけて、チームとしての決定事項かを明確にしてもらうと安心できると思います。
- 「この業務を私一人で対応していることが多いですが、問題ないでしょうか?ほかのメンバーからあまり意見がないため、チームとして問題ないか確認したいです。」
- 「USの設計について、いつも私がしゃべってアプローチを決めてます。ほかの人の意見がなく心配です。私の独断ではなく、チームの意見として進んでいるか確認したいです。」
自分の作業が多いことをアピールする
自分の作業がいっぱいいっぱいだということは、関係者に理解してもらったほうがいいです。
作業をしていても、他の人から見えないと、理解してもらえません。
デイリーで作業内容をしっかり報告するのと、タスクしっかりと起票するなどの可視化をすることで、そのアピールをしていきましょう。
ほかの人と比較して作業量が多ければ、相手はその人のことはいつも仕事で活躍していて忙しい状況だと理解されやすいです。
進捗は遅くてもいい
「自分の作業が多いことをアピールする」ができていれば、進捗が遅くなることは理解してもらえると思います。
もし、クレームなどがあったりしても、「しっかりと作業の成果を出している。仕事量が多すぎてすぐに対応はできない」と反論していいです。
実際に成果を出しており、仕事を押し付けられているような状況であれば、それはスクラムマスターや他の開発メンバーが改善すべきことです。
進捗が遅くなっても自身一人の責任だと思わないようにしましょう。
※ただ、予定が遅れて期限に間に合わないなど、最低限の進捗報告はしましょう。
SM(スクラムマスター)視点の「つらい」原因と解決策
つぎに、SM(スクラムマスター)の視点で、「つらい」と思われる原因のケースと、その解決策を考えていきます。
原因
「つらい」と思われる原因は主に二つだと思います。
人間関係がつらい
スクラムマスターは、いろいろなポジションの人とコミュニケーションをとる立場です。そのため、人間関係の調整対応などで、つらいと思うことが多いです。
普通の開発で考えると、上長や顧客などの立場の上の方と、部下との対応で板挟みになる形になり、それがストレスに感じる可能性が高いです。
スケジュール管理がつらい
スケジュール管理は、スクラム開発手法としては、スクラムマスターの責任だけではありませんが、
日本人の企業体制を考えると、スクラムマスターにスケジュール管理の役割を押し付けられることがあるのではないかと思います。
イメージとしては、発注元の顧客側がPOをして、「スクラムマスター+開発チーム」が委託先のチームみたいに分かれるように思います。
そのため、委託チームの管理をするのはスクラムマスターだと関係者から思われ、開発チームのスケジュール管理などをさせれられることがあるのではないかと思います。
「人間関係がつらい」ケース 解決策
スクラムマスターは、コミュニケーションをとるのが役割のため、人間関係はどうしても続ける必要があります。解決策としては、自分が負担しすぎないように、どのようにコミュニケーションをとるかが重要です。
一人で抱え込まない
スクラムマスターがすべての問題を解決しようとすると、負担が大きくなります。
- 問題をチーム全体で共有する
- 必要に応じてプロダクトオーナーや管理職にも協力を求める
- 「自分が何とかしなければ」と考えすぎない
ことが重要です。
中立的なコミュニケーションをとる
スクラムマスターは、中立的な立場になります。
上司や顧客、開発メンバーから、相談事を受けても、スクラムマスターが一人で決める必要はありません。
コミュニケーションをとるときは、以下の点を意識するとよいと思います。
- 各人の要望や懸念を整理して、そのうえで再度どうするか相手に問いかける。
- 目標に焦点を当てる
- 感情ではなく事実をもとに話し合う
上記のように、スクラムマスターが方針を全て決めるのではなく、関係者と話し合って相手の意見を取り入れつつ、合意を促すのがよいと思います。
スケジュール管理がつらい
スクラムマスターの責任範囲を明確にする
スクラムマスターは、開発チームを管理する立場ではなく、チームが自律的に活動できるよう支援する役割です。
そのため、
- タスクの割り当て
- メンバーへの指示
- 詳細なスケジュール管理
まで一人で抱え込む必要はありません。
それを、顧客や開発メンバーに理解してもらうことが重要です。
ただ、日本は1次請け、2次請けといった下請け構造になっており、
上位会社からしたら全部下請けがやってほしいと思われることも、残念ながらあります。
その場合は、これは本来のスクラムマスターの役割ではなく、スクラム開発手法の運用と異なったやり方だと伝えることが大事です。
伝えても、スクラムマスターの役割だけでなく、PMのような管理をしてほしいというのであれば、改めて責任範囲を明確にし、責任が大きければ、その分管理コストがかかることを伝えるのがよいと思います。
チーム全体で進捗を見える化する
スケジュール管理をスクラムマスターだけの仕事にしないために、
- スプリントバックログ
- カンバンボード
- バーンダウンチャート
などを活用し、チーム全員で進捗状況を把握できる状態を作ります。
問題や遅延が発生した場合も、スクラムマスター一人が解決するのではなく、チーム全体で対応策を検討することが大切です。
まとめ
スクラム開発で「つらい」と感じる原因は、人によってさまざまです。まずは自分が何にしんどさを感じているのかを理解し、小さなことから一つずつ試してみることが大切です。
もし今、チームの雰囲気や進め方に違和感を感じているなら、次のレトロスペクティブで一度話題に出してみることから始めるのがいいと思います。
